上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
『沈黙の王』 『花の歳月』

宮城谷昌光・著/講談社文庫

両方当日読了。

「夏姫春秋」が中断中して久しいのに(ごめんなさい)、
それでもいつか片っ端から読みたい宮城谷さんの作品。
分冊の物語はものすごく怖くて手が出せない。

高潔な人物の物語は泣けてきます。

以下、感想文。

・沈黙の王
表題作、他4編の短編集。

裏表紙の、「文字を作った王様の話」(意訳)に惹かれて
手にした一冊。
表題はともかくとして(え、面白かったです)、
「妖異記」と「鳳凰の冠」が好き。

前者は、中国モノを読んでいるとよく登場する褒娰が出てくる話。
登場する伯陽という人が、できた人であると同時に
走っちゃいけない廊下を走る所で人間くささを見せてくれました。

後者はぜんぜん知らない人の話(密かに夏姫春秋とリンク)。
主人公は叔向という人。
この人のお母様が最初はいい人なのかなと思っていたら
めちゃ怖い人だと判明。
酷い事はしないの、道理を通そうとしすぎて自分の意見が強すぎて、
なんか実の子まで呪ってしまう人。あ、充分酷いって。
そのお陰で(?)、将来彼の奥さんになった人の良さというのが
際立ちましたが。
あと、義理のお姉さんもいい人でした。
難しい政治の話が、この二人の女性のお陰でちょっとほのぼのとした
雰囲気なものになった感じがしました。

・花の歳月
本を開くと、文字の大きさにびっくり。

貧家の娘さんが選ばれて後宮へ入る一方で、
弟はかどわかされてしまう話。

農民でも名字からご先祖が分かる、さすが中国四千年。
劉邦の死後の時代でも充分大昔なのに、
その時代からでも大昔の夏王朝までさかのぼれるのだから
えらいことです。

優しい話であると同時に、登場人物の年齢とその言動のギャップに驚かされる。
なんでそんな若いみそらで気のきいた事が言えるんだろう。

権力に近い場所へ行ってしまう女性の物語ですが、
全篇おだやかに進んでしかも漢字の国の話なのに
ことばもやさしくて…とっても読みやすかったです。

あ、劉邦の奥さん・呂氏の場面は、
どれだけ文章がやわらかくても、やってることがえげつないので
そこんところは目をつぶって。

解説を読むと、ずいぶん「日本語」に気をつかっている人だということが
繰り返されていました。
そして、あとがきでも著者が漢字について触れていて
変換機能に頼っていた事をちょっと反省。
…しながらも、この感想文もしっかり変換機能に頼っていますが。

ということで、帰りにまたまた宮城谷さんの他の本を購入。

―――――夏姫春秋はしばらく。
スポンサーサイト
テーマ:読んだ本。
ジャンル:本・雑誌
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。