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そうかもしれない

監督/保坂延彦
出演/雪村いづみ、阿藤快、下條アトム、夏木陽介、烏丸せつこ、桂春團治(三代目)、他

今年の号泣映画は『手紙』で決まりでしょうと思っていたら
師走に伏兵がいました。
(でもこれ2005年の作品)

タオルハンカチ必携。マスカラ塗ってなくて良かった。
『手紙』の玉山鉄二並に涙が出る覚悟なぞできていませんで
嗚咽がおさまらずに大変でした。

映画が終わって、映画館を出た後も
思い出そうとしていないのに、余韻にひたって涙が止まりませんでした。
泣きながら彷徨う姿は多分ヘンだったと思います。

【物語】
二人仲良く暮らしてきた老夫婦に忍び寄る影。
妻に認知症の症状があらわれ、
献身的に尽くしながらも体力に限界を感じホームに入所させる夫。
その夫の体もまた、癌に冒されていた。

以下、感想文。もちろんネタバレ。
耕治人(故人)の私小説が原作。
日々どこか変わっていく妻にしずかに声をかけ尽くしていく桂春團治師匠の姿に涙。
そして、体が思うように動かなくなっていく恐怖に怯えながら、
時折夫に対して無邪気に微笑む妻にも涙。

つないだ手や、微笑み合う姿とか、「スミコさん」「あなた」と呼び合う姿とか、
普段の情景があまりにもやさしくて、
景色は変わらないのに、別れたくないのに、
だんだんと終わりが近づいてくるのが分かってやりきれませんでした。

特養への入所の日、手を引いて歩く姿がまるでいつもの散歩の風景のようにやさしいのに、
帰り道の青い夜の中に浮かぶシルエットが一人だけだったのがさみしすぎました。

癌で入院した夫のもとに見舞いに訪れる妻は、自分の夫だと教えられてもなんら反応はなく、
しかし最後にようやく一言、「そうかもしれない」と呟いて微笑む。
ここまででもう充分だろうという位に泣かされたのに、
一人病室に残された夫の後ろ姿にまた号泣。

夫が癌で亡くなり、その事を奥さんに伝えに行くホームのスタッフや甥っ子が
自分にすがって泣きじゃくるのをあやすように抱きしめる姿で懲りずに嗚咽。

とどめは一時帰宅して、主人のいなくなった書斎を通り過ぎ縁側へ向かった奥さんが庭先で見つけるもの。
まだ発症したばかりの頃にエニシダの花を庭に咲かせるという約束。
入院する日に夫が思い出し、花屋さんで買ってきた花を植えているシーンが重なり、
実際に花が咲いているシーンは映されないのに、奥さんの微笑みで約束は果たされたのだと勝手に解釈しました。
その微笑みがあまりに無邪気で、
お願いだから早く場面をかえてくださいと無言で訴えていました。

二人で重ねた年月の重さがひしひしと伝わり、
刹那的ではない深い愛情を感じられるものがたりでした。

帰りに本屋さんで本を探したら見事に品切れ。
くやしいから別の本三冊買ってちょっと後悔。
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テーマ:心に残る映画
ジャンル:映画
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